光の下に出るために。

これも、シアターキノで上映中に観逃がしていた一本。

『わたしに会うまでの1600キロ』(2014)。

アメリカ・メキシコ国境からアメリカ・カナダ国境まで続くパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)を、一人で歩き通した女性の話です(実話)。
と書いてしまうとふつうのド根性ドラマのようですが、自分の人生をやり直そうと決めた主人公にとっては、これはお遍路参りのようなチャレンジなのです。


ケガだらけになりながら歩く主人公を見ているだけでもしんどいのですが、何が怖いって、蛇よりも崖よりも、途中で出会う男たちがケダモノのようにギラギラしていて怖いです。
全員というわけではありませんが(実際、主人公は劇中で危ない目に遭いそうになります)。
なので、何かひとつ違えば被害者になってしまいかねないという、スリルの方が大きかったです。
大自然より怖いのは人間だ・・・。


それにしても、アメリカ大陸って広いのですね。

砂漠~雪山~森の中と景色がくるくる変わって、主人公の心の変化と対応しているかのようで、余計美しく見えました。

母親が死んだ時に生まれた後悔や哀しみ、そこから目を背けるために薬に手を出し、何人もの男と寝て、夫と自分自身を傷つけたという更なる後悔、そして恥の念。

主人公が雨の森を抜けた時にそれらが一気に浄化されるシーンは、多分誰にとってもカタルシスになることと思います。

主役のリース・ウィザースプーンは、断然スッピン顔が可愛いですね。

なにより母親を演じたローラ・ダーンが、まだ若々しくスタイルがいいのに驚きました。
昔(’80年代)とほとんど変わっていないので、似た別人かと思ったくらいです。

笑顔が可愛らしいし。こういう美魔女はいいですね(笑)。.



楽園の住人

北海道生まれ北海道育ち。現在、ぶどう畑の傍に住む。